法人 自動車保険 個人 違い

法人向けの自動車保険は安い?個人向けと違いはある?

法人向けの自動車保険(本記事で自動車保険とは、任意保険をさします)には、個人向けとは異なる特徴があり、うまく活用すれば、安い保険料で、事業内容に適した備えと安心が得られます。

法人向けと個人向けの違いを理解し、法人向けの自動車保険を安く契約するためのポイントをおさえましょう。

■法人向け自動車保険は、条件が合うと安い保険料が期待できる
■法人向け自動車保険では、安い保険料だけではなく補償内容とのバランスが大切
■事業に使う車両、運転者、使用頻度などを把握して、適切な選択をしよう

法人向けと個人向けの自動車保険の違い

自動車保険 法人 個人  違い

法人向けと個人向けの自動車保険(任意保険)の違いとして、契約者や記名被保険者(車の主な使用者)の違い、保険対象となる車両や補償内容の違い、保険料の算出方法の違いなどがあります。これらの違いは、法人向けの自動車保険が、ビジネス・業務用途での利用を想定していることから生じています。

業務目的で使用する車を個人向けの自動車保険で契約することも可能ですが、法人向け保険にしかない契約プランや特約もありますので、違いを理解しておきましょう。

法人向けの特徴

法人向け自動車保険は、法人名義で契約する、または、記名被保険者(車の主な使用者)を法人として契約する、業務使用の自動車を想定した保険です。タクシーや運送・引越しトラックなど、運送・運搬で収益を生む自動車は、法人向けの自動車保険のみ契約できます。

そのほか、営業訪問や社員・役員の送迎など、直接収益を生むわけではないけれど、業務に使用する自動車も、法人向けの自動車保険で契約が可能です。

法人向け自動車保険の特徴として、保険料を法人の経費として計上できることや、事業活動によるリスクを想定した、法人向け自動車保険にしかない特約をつけリスクに備えられることなどがあげられます。

たとえば、積載貨物賠償特約は、保険の対象となっている車両で運んでいた荷物が事故により破損した場合、賠償にあてる保険金を受けとれます。さらに、多くの台数(10代以上)をまとめて契約する、割引率が大きいフリート契約があるのも、法人向け自動車保険の特徴です。

なお、基本的には不特定多数の運転者が長時間使用する業務用車両のための保険なので、個人向けの自動車保険ほどには、運転者の属性や走行距離に応じてプランをアレンジすることはできません。

個人向けの特徴

個人向け自動車保険は、個人名義で契約する自動車保険で、運転者の属性や使用状況に応じてきめ細やかに契約プランをアレンジできるのが特徴です。車の用途(日常・レジャー、通勤・通学、業務)のほか、走行距離、運転者の年齢や性別、過去の交通違反記録などでも保険料が細かく変わり、個々に合わせた保険プランを作れます。

逆に言えば、不特定多数が運転する前提の条件で個人向けの自動車保険を契約すると、保険料は高くなりがちです。限定された人が運転するマイカーだからこそ向く保険といえるでしょう。

安い法人向け自動車保険の選び方

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安い法人向け自動車保険(任意保険)の選び方で大切なのは、自社の車にとって十分な補償内容が納得できる保険料で得られるのか、複数の保険会社から見積もりを取って比較することです。

複数の保険会社から見積もりを取る

法人向け自動車保険は、通販型が豊富な個人向け自動車保険と異なり、代理店を通して契約するのが主流です。事業内容、車の台数や使用状況と合う保険プランを、担当者と相談しながら考えましょう。

一般的に、業務に使う車両は、プライベートで使う車両よりも使用時間・走行距離が長く、その分、交通事故のリスクも高くなります。

事故を起こしてしまった・巻き込まれたときの対応力・交渉力、アフターサービスやクレーム対応の評判もチェックしながら、必要な補償・サービスが受けられる保険会社はどこか、その中でどの会社に決めるべきか、複数の保険会社から見積もりを取り、比較検討しましょう。

複数比べることで、保険料の相場もつかめてきます。

その中で、より保険料を安くしたい場合は、次に解説する、法人向けの保険を安くするポイントを検討してみましょう。

法人向けの車の保険を安くする方法とは

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法人向けの車の保険(任意保険)を安くする方法としては、特約や年齢条件の見直し、複数台割引の検討などがおすすめです。また、選択肢が少なめではありますが、保険料が安いことが多い通販型保険も検討する価値があります。詳しく見ていきましょう。

不要な特約を外す

自動車の任意保険は基本的に、特約、つまり保険の基本補償に加える追加の補償を増やせば増やすほど、保険料が高くなります。法人向けの車の保険で保険料を安くしたいときには、まず、自社の事業と照らして、不要と判断できる特約が入っていれば外しましょう

年齢条件を引き上げる

運転者の年齢も、自動車保険の保険料に影響します。一般的に、若年層のドライバーは事故率が高い傾向があるため、10代・20代の若年層も含めた「年齢を問わず補償」の保険料は高くなります。対象車両の運転者に若年層がいない場合は、年齢条件を引き上げたプランが設定できるか確認しましょう。

ただし、法人向けの保険で、年齢を限定できる保険会社は少なめです。

複数台割引を適用させる

法人が業務に車両を使用する場合、個人よりも多くの台数の車を所有・使用することが多くなります。すべての車両で自動車保険に加入するとなると、保険料だけでも大きな負担となってしまうでしょう。

しかし、「複数台割引」が適用されれば、一定の割引を受けられるので、そういった割引措置を上手く活用することがポイントとなります。

 

個人向けの自動車保険では、個人が2台以上の自動車を所有する場合に「セカンドカー割引」が適用となる保険会社があります。これは、保険証券は1台ずつですが、すでに1台目の車で運転に問題ないと判断され、等級の優遇などが受けられる割引です。

これに対して、法人向けの自動車保険の場合、10台以上の車を1枚の保険証券でまとめて契約する「フリート契約」があり、この契約には高い割引率が設定されています。一部の保険会社では、2~9台の契約に対しても適用される「ミニフリート契約」を選べるところもあります。

通販型保険を検討する

通販型の保険は、代理店を通さず直接保険会社と契約することから、保険料をおさえることが期待できます。インターネットを通じて24時間いつでも見積もり・申し込みできる利便性の高さも魅力です。

ただし、法人向け保険の場合、特約や割引の選択肢が少なく、結果的に保険料が割高になる場合もあります。選択肢の一つとして考えましょう

法人向けの車の保険を契約するときの注意点

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法人向けの自動車保険(任意保険)を契約するときの注意点として意識したいのは、保険料と補償内容のバランス、また、希望する補償内容の保険をどこでどのように契約できるか、ということです。安い保険料の自動車保険は魅力的ですが、補償内容が自社の業務内容とリスクに合っていなければ、自動車保険の目的からそれてしまいます。チェックポイントを見ていきましょう。

安い自動車保険の注意点①|補償内容を確認する

安い自動車保険をチェックする際、もっとも重要なのは補償内容の確認です。まず、対象となる車両の種類や台数・条件が、自社で使っている車、または今後購入を検討している車にあてはまるか、チェックしましょう。

対人賠償保険、対物賠償保険、搭乗者傷害保険、無保険車傷害保険など、どこまでの範囲・金額が基本の契約に入っているのか、保険会社によって異なります。

また、保険金の支払い体制や事故時の対応・ロードサービスの充実度なども、事業内容や車を使用する範囲・頻度によって、重要な検討項目になります。あわせて確認しましょう。

安い自動車保険の注意点②|特約が本当に必要かを検討する

自動車の任意保険の特約は、その中身を細かくチェックし、自社の事業の実情に合っているものか、ほかの保険や資金の積み立てでカバーできないか、確認しましょう。

たとえば、搭乗者傷害事業主費用特約は、契約車に搭乗中の事故で役員または従業員がケガ・死亡・後遺障害が発生したときに保険金が受け取れる特約ですが、ほかの福利厚生制度に加入している場合、補償が重複しており不要と判断できる場合もあります。

安い自動車保険の注意点③|誰がどれくらい乗るのかをシミュレーションする

自動車保険を契約する車両に、誰がどれくらい乗るのか、事業の状況を現実的にシミュレーションすることも大切です。ふだん社用車を乗る人の年齢に合わせて、運転者が25歳以上、あるいは30歳以上といった契約条件で保険料を調整したくなりますが、それが足かせとなり、臨時の代行業務ができなくなっても困ります。

過去の使用状況や、今後の車の新規購入や買い替え、従業員の採用・事業計画にも照らしながらシミュレーションしましょう。

安い自動車保険の注意点④|法人向けに対応していない通販型保険が多い

通販型保険はインターネットを通じて24時間いつでも申し込み可能で、保険料も安いことが期待できます。しかし、法人向けの自動車任意保険に対応していない通販型保険が多いのが実情です。法人向けに商品を出していても、代理店を通す保険よりもサービス内容が限られることもあります。

たとえば、チューリッヒ保険会社は、通販型で法人契約の取り扱いがありますが、インターネット上での手続きは受け付けておらず、電話でやりとりして見積もりを作る必要があります。

同じく通販型のソニー損保は、法人向け自動車保険をインターネットで見積もり・申し込みできますが、フリート契約には対応していません。安いだろうという期待だけで通販型のみを検討するのではなく、代理店型保険も検討しましょう。

まとめ|安い保険はあるが、補償内容は要チェック!

法人向けと個人向けの自動車保険(任意保険)の違いをふまえて、保険料を安くするポイントをおさえながら、法人向けの安い保険を探すことは可能です。

しかし、安いことだけにとらわれると、自社の事業内容に十分見合った補償が受けられなくなる可能性があります。事業内容、車両の台数や使用頻度、また誰が運転するのかをしっかり把握・シミュレーションして、賢く法人向け自動車保険を検討しましょう。

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